Beranda / 恋愛 / 君が目覚めるまではそばにいさせて / ヤマトの章 15 僕が今、願うこと 1

Share

ヤマトの章 15 僕が今、願うこと 1

last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-08 09:41:29

 頭の中で間宮渚の記憶を引っ張り出し、彼が何者か分かった。

名前は「橘祐樹。渚の幼馴染で、子供の頃からの付き合いだ。

祐樹によって、半ば強引にファミレスに連れて来られた。こんな所で渚の知り合いに会うなんて全く僕はついてない。渚の知り合いたちに会うことによって目覚めの時は早まってしまうのでは無いかという恐れがあったからだ。

何とか適当な言い訳をして見逃してもらうことは出来ないかな……。

橘祐樹は僕を睨み付けてきた。

「おい、渚。さっきから黙ってばかりいないで何とか言えよ。お前……もしかして俺のこと忘れちまったのか? いや、そんなはずないよな? 俺を見て逃げ出そうとしたんだから」

僕は何と答えたら良いか分からなかった。だって本当のことなんて言えるはず無いし、何より信じて貰えるとも思えない。

「う~ん。どうもさっきから変な感じがするんだよな……? 俺の知ってる以前のお前と今のお前、全く雰囲気が違って見えるんだが……。お前、渚に変装した偽物か?」

確証を付いてくる質問にドキリとした。そうだった、彼は昔から妙に頭が切れて勘も鋭かった。

「偽物じゃ……ないよ……」

それだけ言うのがやっとだった。だけど完全に怪しまれている。祐樹は僕のキャラが変わったと疑わない。確かにこんな口調、本物の渚なら使う訳無いけど、中身は僕。今更話し方を変えるなんて出来っこない。

 延々と質問攻めにあった。ようやく解放されるかと思ったら祐樹は僕のスマホを取り上げ、勝手に自分の連絡先を登録して返してきた。

本当に勘弁してほしいと思う。だって祐樹に会う事によって何らかの刺激で渚の目が覚めてしまう危険性が大いにあるのだから。自分の我がままで勝手な言い分だってことは良く理解してる。

けど後少し、後少しだけ千尋と一緒にいたい。だって何百年もかけてようやく再会できたのだから。

……恐れていた通り、早速その日の夜に祐樹から電話が鳴った。千尋は出なくていいのかと尋ねてきたけど、僕は迷惑電話かもと言ってごまかした。

けれど結局何度も何度もしつこく祐樹が連絡を入れて来るので、やむを得ず電話に出た。途端に祐樹の怒鳴り声が聞こえ、その会話は千尋の耳にも届いてしまったみたい。

電話の相手が酷く怒っているようだと千尋は心配していたけど、気にしないように千尋に言った。でもすごく不安そうな顔をしている。

ごめん、千尋……。

その後
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • 君が目覚めるまではそばにいさせて   ヤマトの章 24 またいつか出会う日まで 5

     この日の夜のことは、一生忘れないだろう。僕の存在が完全にこの世から消え、千尋の記憶から忘れられたとしても。僕と過ごした時間のほんの少しの記憶だけでも心のどこかに残しておいて欲しい……。だから僕は千尋の身体に、心に、僕のことを刻み付ける。月明りに照らされ、涙を浮かべて快感に震える千尋はとても綺麗だった。千尋を抱きしめ、唇を重ね、全身にキスを落とす。そのたびに甘い声を上げる千尋が愛しくてたまらない。僕たちは互いの名前を呼びあい、何度も何度も身体を重ねて愛を交わした――**** あれからどれほ程の時が過ぎただろう。窓の外はうっすらと明るくなってきている。抱きしめている千尋を見つめた。「千尋……」千尋は僕の腕の中で静かに寝息を立てている。そんな千尋が愛しくてたまらない。だけど……。「もう……ここまでかな……」千尋を抱きしめている腕が徐々に透けていってる。腕だけじゃない、身体もだ。徐々に身体だけじゃなく、魂が消えていくのを感じる。千尋が目を覚ます頃には僕の身体は完全に消え去っているのだろうな。けれど僕の心は嘘のように穏やかだ。あれ程この世から消えてしまうのを恐れていたはずなのに。それはきっと千尋と思いが通じ合ったからなんだと思う。もうこの世で思い残すことは何もない。だけど、欲を言えば本当は千尋が目覚めるまでは側にいさせて欲しかった。でもどちらが千尋にとって幸せなんだろう? 千尋が目覚めた時、僕が消えていたら君はどんな反応をする? でもそんなこと考えるのも無意味なんだろうね。だって僕には分かってる。僕の身体は無に帰る。千尋の知っている間宮渚は永遠にこの世から消え去るのだ。当然千尋が僕と過ごした時間も全て消えてしまうだろう。だから、このまま消え去るのが一番千尋を傷つけなくて済むのだと思うんだ。さよなら千尋。愛してるよ。だからどうか僕がいなくなっても幸せに暮らしてね。でも大丈夫、きっとまた未来で会える。それは近い将来かもしれないし、ずっと遠い未来かもしれない。だって何百年も前に同じ時間を生きていた千尋と、この時代で出会えたのだから。姿や形が変わっても、魂は決して変わらない。君がどんな姿になっていたとしても必ず僕は君をみつけて見せるよ。だからその時まで、待っていてね。「千尋……愛してる」最後に千尋の唇にキスをし……その

  • 君が目覚めるまではそばにいさせて   ※ヤマトの章 23 またいつか出会う日まで 3

     甘い唇にキスをしながら、千尋を抱え上げた。千尋はまるで羽のように軽い。抱き上げてキスをしたまま、自室へ運ぶとそのままベッドに寝かせて覆いかぶさった。「千尋……愛している。今すぐ千尋が欲しい……駄目かな?」尋ねる声が震えてしまう。千尋の気持ちは確認したけど、無理に抱くような真似はしたくなかった。「駄目じゃ……ない、よ……」顔を赤めて返事をする千尋。その声は今にも消え入りそうにか細かったけど、僕の耳にははっきり聞こえた。「千尋……」その言葉がどれだけ嬉しかったか計り知れない。再び唇を重ねると千尋の口をこじ開け、舌を絡めて吸い上げる。「んんっんんん……」重ねられた唇から千尋の甘い声が漏れ出し、身体が熱を持ったように火照り始めてきた。キスだけで千尋が感じてきている。キスをしながら千尋の服を脱がせていき……全ての服を脱がせると、じっと見つめる。薄暗い部屋に、月明かりで照らされた千尋の身体は……本当に奇麗だった。「とても奇麗だよ………千尋」「渚くん……はぁぁんっ……」千尋の柔らかな胸に顔をうずめ、淡く色づく先端を口に含んで吸い上げると、千尋は増々肌を染めて身体を震わせる。一番感じる部分に指で触れると、そこは僕を十分受け入れられるほどに潤い、シーツまで濡らしている。「千尋……こんなにも感じてくれているなんて嬉しいよ……」言葉にしながら、千尋の細い足を広げた。「いやぁあ……こ、こんな格好恥ずかし……あぁあっ!」今までで一番一際高く千尋が甘い声を上げる。千尋の一番感じる部分に口づけたから。そのまま舌で内壁を優しくなであげ、淡く色づく二つの先端を掌で撫でまわしていくと、快感を逃がすためか千尋が首を振っている。「いやぁぁ……そ、そこだめぇ……か、感じちゃうからぁ……はぁっ……んんっ……」「いいよ……もっと感じて。僕だけにその姿を見せて……」「だ、だめぇ! そ、そこでしゃべらないで……ああああぁん!千尋の細体が弓なりにしなる。一度達したんだ。荒い息を吐きながら、ベッドに沈み込んでいる千尋を見つめながら、僕は自分の着ている服を脱ぎ捨てると再び千尋に覆いかぶさる。「千尋……好きだよ、大好きだ……」唇を重ねながら、愛を囁き……そのまま一気に千尋の中に押し入った。「んんんんーっ!」僕の唇で声を塞がれた千尋の身体が震え、強く締め付けられる。

  • 君が目覚めるまではそばにいさせて   ヤマトの章 22 またいつか出会う日まで 2

     家に帰り、千尋に自分の作ったとっておきのディナーをお披露目した。千尋は目を丸くして驚き、喜んでくれた。僕は無理に笑顔を作って千尋と会話する。でも時々無性に悲しい気持ちがこみ上げてきてしまう。最後の瞬間まで僕の瞳に千尋の姿を焼き付けておきたい……。 二人きりのディナーはもうすぐ終わる。恐らくこれが二人で食事をする最後のディナーになるだろう。いつ気持ちを告げる話を切り出そうかと考えつつも、中々言い出せずにタイミングを失ってしまった。そうだ、片付けが終了して落ち着いたら千尋に言うんだ。僕は千尋が大好きだ、千尋は僕のことをどう思ってくれている? って。  やがて幸せなひと時のディナーが終了し、二人で一緒に後片付けをすることにした。千尋は食器を洗い、僕は洗った食器の後片付けの担当。食器を持って棚にしまおうとしたその時。僕の両腕に激しい激痛が起こり、両方の腕がみるみる消えていく。「!」行き場の無くなった食器は床に落ち、派手な音を立てて粉々に砕け散った。「渚君!?」食器を洗っていた千尋が音に驚き、慌手た様子で僕に駆け寄ってきた。「大丈夫!? 渚君、怪我してない?」千尋は心配そうに僕を覗き込む。「あ、ああ……千尋。ごめん……食器割っちゃって。ちょっと手が滑って」咄嗟に僕は腕を後ろに隠して消えてしまった腕を千尋に見せないようにした。「何言ってるの、食器なんかどうだっていいよ。それより顔色が悪いけど本当に大丈夫なの?」「大丈夫だよ、割れた食器片づけてくるから千尋は洗い物の続きしてて」よし、僕の両腕の痛みは消えたし感覚も戻ってきている。「うん……。分かった」何とか千尋をごまかせたみたいだ。割れた食器をほうきで掃いて新聞紙で包んでビニール袋に入れて玄関の外へ置きに行こうとしたその時、視界がグルリと反転した。<え?>今迄に一度も経験したことの無い感覚に僕は焦った。もしかして……これでもう最後になってしまうのか……? ここで僕の意識は一旦途絶えた―― 次に目を覚ましたのは、あの見覚えのある病室。病室のベッドから起き上がり、自分に言い聞かせる。大丈夫、まだ僕の意識は残っている。でもこの先、どうすればいいのか? 病室を抜け出すか? いや、そんなことをしたら大騒ぎになってしまうし、もう僕の身元は明かされている。その証拠にベッドのネーム札には

  • 君が目覚めるまではそばにいさせて   ヤマトの章 21 またいつか出会う日まで 2

     僕は憔悴しきっていた。祐樹にこれまでの全てを話し終えた頃にはもう夕方になっていた。祐樹は最後まで黙って話を聞いてくれた。「それでお前は本当にいいのか?」「いいんだ。それより今迄本当のことを言わないでごめん」でもまだ祐樹には内緒にしていることがある。もうすぐ渚の目が覚めることを。「別に……もういいさ。それにしてもあの病室で眠っている渚を見なければ、未だに到底信じられる話じゃないよな」祐樹はコーヒーを飲んで僕を見た。「でも、ありがとう。信じてくれて」「まあ……俺は今のお前嫌いじゃないしな? あ、勘違いするなよ!? 別に変な意味で言ってるんじゃないからな!」「大丈夫、分かっているよ」「それじゃ、お前の言う通り渚の身元確認の手続きをしてきても大丈夫なんだな?」祐樹は身を乗り出して尋ねてきた。「うん、お願いするよ。いつまでも身元不明扱いだったら病院側に迷惑がかかるし、彼自身も気の毒だからね。と言っても間宮渚の身体を借りてる僕が言うセリフじゃないね」「そっか……。お前がそこまで言うなら、もう覚悟は決めたってことだもんな。それにしてもあいつ、いつ目を覚ますんだろうなー。あ、ところで渚の目が覚めたらお前は一体どうなるんだ? まさか消えてなくなったりしないよな?」「う~ん、それはどうなんだろうね? 消えるかもしれないし、消えないかもしれない。自分でも良く分からないんだよね」また一つ、祐樹に嘘をついてしまった。「それで……もう一つだけお願いしてもいいかな?」「何だ?お願いって」先ほど書いた手紙を祐樹に渡した。「この手紙、預かって欲しいんだ」「手紙? 誰に書いた手紙なんだ?」「僕の大切な人に宛てたものだよ」曖昧に答える。「何だよ、それじゃ分からないじゃないかよ」「大丈夫、その時がくればきっと分かるから」「お前な……その意味深な言い方やめろよ。気になって仕方ないじゃないか」それでも祐樹は手紙を預かってくれた。 そして僕と祐樹は店を出た。帰り際祐樹は僕に言った。「なぁ、今度里中……だっけ? あいつを連れて二人で俺の店に飲みに来いよ!  いいか? 必ずだぞ!」僕はそれには答えず、笑って手を振った。ごめん、祐樹。きっとその時はもう二度と来ないよ―― **** この短かった数か月、本当に千尋と一緒にいられて幸せだった。それに僕は罪

  • 君が目覚めるまではそばにいさせて   ヤマトの章 20 覚悟を決めた日 4

    「くっ……!」右手がズキズキと痛み、渚の右手がピクリと動いた。ああ……やっぱり君は目覚めようとしているんだね……。逃げるように病室を出ると、何処をどう歩いてきたのか気が付けばベンチの上に座っていた。右手は元通りになっている。「はぁ〜……」深いため息をついていると、突然誰かに声をかけられた。「おい」驚いて顔を上げた。「お前、一体どういうことだよ……?」祐樹が目の前に立っている。「え? 何のこと?」何が何だかさっぱり分からない。「だから、何で一度も俺に連絡をよこさないんだ! 何度も連絡入れてるのに一度も返事を寄こさないじゃないか!」祐樹はかなり怒っている。でも、それは無理ないかもな……。だって僕はずっと祐樹からの連絡を無視してしまっていたのだから。これ以祐樹に関わりたくは無かったから。でも、もう駄目だ。これ以上は隠しておけないだろう。僕は覚悟を決めた。「祐樹……あそこに病院があるよね」渚が入院している病院を指さした。「あ? ああ?」祐樹は不思議そうに頷いた。「あの病院の502号室に行ってみてくれる? 僕は訳あって行くことは出来ないけど、そこに行けば全てが分かるよ」「どういうことだ?」「詳しい事情は後で話すから。僕は駅前のファミレスで待ってる。逃げも隠れもしないから」いつになく真剣な僕に押されたのか祐樹は頷いた。「分かった。502号室だな? その後は全て話してもらうからな?」祐樹が病院に向かった後、僕は文房具店に行き、そこで便箋と封筒を買った。そしてファミレスに着くと千尋宛に手紙を書いた。****千尋へ今、この手紙を読んでいるって事は、もう僕は千尋の前から消えているんだろうね。この身体は病院で眠り続けている本来の「間宮渚」と言う人物のものなんだ。どうしても千尋の側にいたくて、この人の身体を勝手に借りちゃったけど、もう限界みたい。きっと、彼が目覚める時僕は消えてしまうと思う。短い時間だったけど、千尋と過ごした日々は僕にとっては毎日が幸せだったよ。さようなら、本当に大好きだったよ。ヤマト最後の名前は文字が震えてしまう。僕はこの手紙を祐樹に託す。恐らく僕はこの世から消えると同時に皆の記憶からも消えてしまうのだろうと思う。だって元々は存在してはいけない人間なのだから。きっと彼なら僕が消えてしまっても昔から渚の

  • 君が目覚めるまではそばにいさせて   ヤマトの章 19 覚悟を決めた日 2

     夕食も千尋が作ってくれると言うので、ありがたくソファで休ませてもらうことにした。すると何故か突然急な眠気に襲われ、そのまま眠ってしまった……。ほんの一瞬の眠気だと思ったのに、何故か気が付くと千尋は僕の側に座り込み、右手をしっかり握りしめていた。「え? な、何? どうしたの? 千尋」 「あ……な、何でもない……」嘘だ、千尋の顔は真っ青だった。一体何があったんだろう?「だ、大丈夫だから。ちょっと渚君が一瞬消えて見えたような気がして……。アハハ……そ、そんな訳無いのにね」千尋のその言葉を聞いて全身の血の気が引いていくような感覚を覚える。「え? ごめんね! 渚君。別に傷つけようと思って言った訳じゃ……」千尋は慌てたように弁明するので、千尋の手をしっかり握りしめた。「大丈夫、僕はそう簡単には消えたりなんかしないよ」千尋を安心させるために笑顔で返事をした。そうだ……まだ消える訳にはいかないんだ。だって、僕はまだ千尋の気持ちを聞いていないから――**** 今日は仕事が休みだったのでアクセサリーショップへ足を運んだ。もうすぐホワイトデーだから千尋に何かプレゼントをあげたい。若い女性が喜ぶプレゼントはアクセサリーだとネットの検索であったので、早速買いに来た。店内に入ると平日だと言うのに若い女性が結構来ている。そして僕を見ると何故かヒソヒソささやきあっていた。やっぱり男が一人でこんな店に来るのは変なのかな?だけど、こんなに沢山アクセサリーが売ってるとは思わなかった。どんな物なら喜んでくれるのだろう?そこで若い女性店員に声をかけた。「あの……今人気のあるアクセサリーってどういう品物がありますか?」「贈り物ですね?」「はい、そうです」「それならこちらのお品物等は如何でしょうか?」店員さんが見せてくれたのはとてもきれいなピアスだった。そう言えば千尋もピアスをしていたっけ。喜んでくれるといいな。「ではこれを下さい」僕は品物を買うと店を出た。そして決めた。このピアスをホワイトデーにプレゼントする。そして千尋に僕のことをどう思っているのか尋ねてみようと――**** ホワイトデーがやってきた。朝食の席で僕は千尋にピアスのプレゼントをした。「渚君……これを私に?」「うん、千尋に似合うかなって思って選んだんだ。気に入って貰えたかな?」「勿

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status